待望のマツダ最新ラージプラットフォームの初号機でもあるCX-60の直6ディーゼルマイルドハイブリッド仕様に試乗することができました。街なかを短時間での試乗でしたが、直6ディーゼルは振動が少なく、ガラガラ音もそれほど気にならないレベルで良いフィーリングでした。評判通りピッチングやロール方向の揺れの少なさも体感でき、乗り心地面でもかなり良い印象です。一方でいろいろと気になる点もあったので記事にしたいと思います。
CX-60の欠点・デメリットその①ハンドルが重い、操舵感が少ない
欠点・デメリットの1つ目は一言で言うとステアリングフィーリングの悪さです。低速走行でのステアリング操作に必要な力が大きいことと、それに付随して操舵感が希薄なことです。
試乗してはじめに感じたのは低速でのハンドルの重さと、直進中にステアリングから伝わる手応えの少なさでした。また、交差点で曲がるためにハンドルを大きく切った時には、タイヤがどちらを向いているのかステアリングから伝わらず操舵力が重いこともありひと苦労です。
このハンドリングの特性は日本車に多いですが、原因として考えられるのはサスペンションのジオメトリーです。欧州車(特にドイツ車)は直進性やステアリングフィールのためにキャスター角をつけて寝かせていますが、日本車は乗り心地や回頭性を良くするために立たせているクルマが多いです。CX-60のフロントサスペンションもこのキャスター角を立たせている節があります。キャスター角を立たせているのでトレール量も少なく、直進時のステアリングの手応えが希薄になります。また、転舵時のジャッキアップ効果もないので操舵感が掴みにくくなります。そのため手応えや操舵感を少しでも出すために電動パワーステアリングを重めに設定していると考えられます。
私は現在欧州車に乗っていることもあり、このキャスター角立ち気味のフィーリングが苦手です。CX-60はコストパフォーマンスが高く、時期購入車として検討していましたが、一旦保留にしたいと思います。重量配分や駆動輪的にステアリングフィーリングが良くなると思われる、FR仕様を試乗できる機会を待ちたいと思います。
CX-60の欠点・デメリットその②トランスミッションのギクシャク感
ステアリングフィーリングほどではないですが、トランスミッションのギクシャク感も気になりました。トルクコンバーターを廃した新型の8ATとのことですが、やはりまだ本調子ではなさそうです。変速ごとに駆動力が途切れるので、トルコン式に比べてスムーズさには欠けます。特に停車時からの加速では、トルクが大きいディーゼルエンジンの低回転域を使うために頻繁にシフトアップをします。そのたびに駆動力が切れるので、ギクシャクした加速に感じてしまいます。
長距離ドライブでは今回ほど発進加速もないので気になることは少なそうですが、加減速が多い交通環境で乗る方は試乗するときに気にしてみてください。
CX-60の欠点・デメリットその③車幅感覚が掴みにくい
車幅が1890mmと大きいCX-60ですが、それだけではなく、ボディのデザイン的にも車幅が掴みにくいと感じました。これは飽くまでも感覚的なものなので人によっては異なると思います。試乗してチェックしてみることをオススメします。ちなみにランドローバーのディフェンダーは車幅が1995mmとさらに大きいですが、CX-60よりも車幅感覚は掴みやすいと感じました。
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