【試乗記】クラウンクロスオーバーRS 好感触だが不満・欠点も

 先日トヨタのクラウンクロスオーバーRS”Advanced”に試乗しました。基本的には今の時代に合ったクラウンとして好感を覚えましたが、気になる点もいくつか見つかりました。今回はその不満・欠点も交えてご紹介します。

FFベースのクロスオーバーの利点

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 先代のクラウンではFRベースのTNGA-Lプラットフォームを採用していましたが、今回のクラウンクロスオーバーではカムリやRAV4、レクサスのRXなどで使用されるFFベースのTNGA-Kプラットフォームを採用しています。これにより駆動方式はFRからFFになるのですが、トヨタのフラッグシップモデルとして全車後輪駆動用のモーターを装備し、四輪駆動となっています。

 FFベースにすることによる最大の利点は室内空間の拡充です。先代のFRクラウンではエンジンルームの寸法に押され、国内ニーズにより車両全長も大きくできないので後席の広さが十分とは言えませんでした。今回のクラウンクロスオーバーは先代よりも全長が20mm伸びたこととエンジンが横置きになり、室内空間はかなり拡大しました。車高や運転視点が高くなったこともあり、現代風の正常進化版クラウンだと思います。 

2.4LターボハイブリッドのRSがおすすめ

 FFベースになったことによるデメリットはあまり感じません。ハンドリングはFRのように滑らかでスッキリ感があり、駆動力によりハンドルを取られるトルクステアのような挙動も皆無です。これは後輪モーターによる四輪駆動であることが関係しています。特にRSの2.4Lターボハイブリッドは後輪モーターに高出力モーターを採用し、前後輪のトルク配分を100:0から20:80まで制御しているとのことです。下位グレードの2.5Lハイブリッドでは前述のようなハンドリングの良さは感じられなかったので、このシステムが採用される2.4LターボハイブリッドのRSがおすすめです。

これはおかしいトランクスルー

 トランク容量自体は450Lを確保しており、ゴルフバッグも4つ入ることが謳われていますが、クロスオーバーという名前がついている割には荷室の使い方は限定的です。まず後席が可倒式ではなく、トランクスルー機構の穴もかなり小さめです。そのため、トランクに入り切らない荷物は積むことができません。トランクスルーの穴のサイズはスキー板1セットがギリギリ入るかどうかでしょうか。二人分のスキーは積めず、スノーボードの板の幅はトランクスルーを通過できません。

 きっとルーフキャリアのオプションがあるだろうと思い、トヨタのHPからアクセサリーカタログを見てみましたが見つかりません。ウインタースポーツをする客層は想定していないということです。

 SUVの強みは1台で街乗りからスポーツまで何でもできることだと思っています。その点でクラウンクロスオーバーは中途半端な存在に感じてしまいました。クラウンの客層は年々高齢化しており、今回のクラウンでも若返りを狙っているはずです。しかし、ゴルフに行くことはあってもウインタースポーツはしない客層というと、私が思っているよりもかなり上の年齢層がターゲットなのでしょうか?今回のクラウンはクロスオーバーの他にもスポーツやエステート(ワゴン)も控えているのでスポーツユーティリティはそちらに譲るということなのでしょう。

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